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劇団四季「ノートルダムの鐘」(飯田カジモド、芝フロロー)感想2017年5月25日マチネ

初めてノートルダムの鐘を観ました。

東宝ミュージカルを見る事が多く、劇団四季は何年ぶりだろう。

今回も自分自身で観劇する予定はなかったのですが、親が観たいというので一緒に。

SNSで評判がよかったので楽しみにはしていましたが、どちらかというと、この数日後に観劇する帝劇のレミゼのに気持ちがすでにいっていました。

ところが、ノートルダム上演開始直後から、鐘・クワイア(聖歌隊)の響きに身体が震え、子供の心を持つカジモドが哀れでならず、観劇して二日たった今でも、心がノートルダム(笑)

音楽もストーリーもキャラクターの見せ方も素晴らしいと思うのですが、全体的なバランスが良く、とても美しい作品だと思いました。


カジモド:飯田達郎
フロロー:芝 清道
エスメラルダ:岡村 美南

ノートルダムの背むし男、というのはなんとなく知っていはいたけれど、ストーリーの詳細はよく知らずに今回のミュージカルを見ました。

原作はヴィクトルユーゴーの「「Notre-Dame de Paris(ノートルダム・ド・パリ)」。

私が観劇した2017年 5/25(木)は、やはりヴィクトルユーゴー原作のレミゼラブルが帝劇で日本初演から30周年の初日を迎えた日でもありました。

目次

ミュージカル版ノートルダムの鐘ざっとしたあらすじ

ノートルダムの鐘は1996年にディズニーアニメとして上映され、舞台化も何度かされていますが、劇団四季のノートルダムは、ディズニー・シアトリカル・プロダクションズが製作したもの。2014年、アメリカで初演されたものです。

原作
ディズニー映画
劇団四季(ディズニー・シアトリカル・プロダクションズ)

の情報をざっと見ると、あらすじが少し変わっています。

私は原作を読んではいないですが、wikiで確認すると、最後が可哀想な終わり方で、ディズニー映画はハッピーエンドになっていました。

で、劇団四季の方は、ハッピーエンドではないのですが、少し救いがあるように思えました。でも終わった時「え?ディズニーなのに?」と驚きましたが。

劇団四季のノートルダムの鐘のあらすじは以下のようなもの。感想も含みます。

これ以降、ネタバレもあります。

 
 
 

聖職者のフロローは、自身の弟とジプシーの女性との間に生まれた子供、カジモドを引き取る。

弟は我慢が足らず欲望に流される人間で、当時ジプシーは「ジプシー狩り」という言葉もあったように人々を惑わす罪深いものと思われていたから、弟もその妻も、神に捧げている身のフロローからしたら、とんでもない存在です。

弟と妻が病により死去し、フロローにとっては甥にあたるカジモドを引き取るわけでですが、そのカジモドが、醜い赤ん坊たった、というのが冒頭シーンです。

この冒頭の設定が、原作とも映画とも異なります。

でもこういう設定にした事で、この後のフロローがぐっと人間味を増してくるように感じました。

フロローは、ディズニーヴィランズというディズニー作品における悪役、といった位置づけで、実際にカジモドに対しても「お前は醜い、気持ち悪い」とひどいし、ジプシーのエスメラルダに惹かれ受け入れられないから殺してしまおう、という煩悩だらけのとんでも聖職者。

しかし、冒頭のカジモドを引き取るシーンで、今までにみた事のない醜い赤ん坊を見て、フロローは恐怖でいっぱいになっただろうし、その後の、自分自身の恐怖に支配されるフロローが一番、哀れに感じました。

さて、フロローに引き取られたカジモドは世間から離され、ノートルダム大聖堂の鐘のある部屋でずっと過ごしています。

カジモドがおしゃべりをする相手は、フロローと大聖堂にある石像たち(ガーゴイル)。

石像はカジモドのお友達で、カジモドを勇気づけたりなぐさめたり。

擬人化した石像がしゃべり、映画でも同様の設定ですが、原作ではどうなんだろう。

先日見た映画の美女と野獣では、ポットや時計に命が吹き込まれる事によって、とても楽しい作品になっていましたが(特に、燭台ルミエールの日本語吹き替えのソンハさんが最高!)ノートルダムの石像たちは、ひとりぼっちで過ごすカジモドが頭の中で作り出したお友達だったらとても切ないなぁ....

ずっと大聖堂の中で暮らすカジモドですが、年に一度のお祭りを塔の上から見て、その楽しそうな雰囲気に誘われ、カジモドは生まれて初めて町に出ます。

そこで出会ったのが、ジプシーの美しい踊り子エスメラルダ。

彼女に誘われ、もっとも醜い仮想をした人を決めるコンテストにカジモドは出て、その容姿をみた人々に罵られます。

初めての経験でカジモドはワクワクしていただろうに、人々から思っていもいなかった仕打ちを受けるこのシーン、本当に心が痛い。

後で大聖堂に戻り、フロローに叱責されるのですが、「自分は醜いから人に受け入れられない」とカジモドが自分の運命を受け入れるのはどれほど孤独で残酷か。

背むし男といえば、ダンスオブヴァンパイアのクコールをふと思いだしたのですが、クコールだったら、自分にひどい事してくる人に対抗しそう。

でも、カジモドは純粋で綺麗な心を持っているから、単に周りの状況を受け入れるしかなくて、可哀想で。

しかし、カジモドが気になってやってきたエスメラルダのやさしさに触れます。

ここで、ストーリー的には、カジモドはエスメラルダに愛情を持つ、となっていて、劇団四季のあらすじ部分でもそう説明されているけれど、

カジモドのほのかな淡い初恋、という表現がしっくりくるかなー

結局、エスメラルダはカジモドを選ばず、大聖堂警備隊長のフィーバスと惹かれ合うので、カジモドの初恋は敗れるのですが、今回の舞台を観て、エスメラルダと友達になれた事の方が、私はハッピーに感じられました。

カジモド役の飯田達郎さんが、カジモドの子供っぽい演技がとても上手で、子供の成長にあわせて、まずはお友達を作って・・・の部分が、エスメラルダで満たされたというか。満たされたのは私なので、カジモドは違うかもしれませんが。

他のキャストさんで観たら異なる感想になるかもしれないし、映画版もちょっと見てみたい。

ちなみに、wikiのノートルダムの鐘の原作をざっと見たら、エスメラルダと友達にもなれていなそうなカジモドが可愛そうすぎてそっと閉じました。原作読んでみようかと思ったけれど、救いがなくて辛くなりそう。

エスメラルダは魅力的なジプシーの踊り子で、カジモド、フィーバス隊長の他、大助祭のフロローまで虜にします。

この中で一番、エスメラルダに狂わされたのがフロローで、聖職者の立場として自由奔放なジプシーを追放しようとしているのに、そんな自分がエスメラルダに惹かれて正気を失っていきます。

自分をまどわすエスメラルダが悪い!と追い詰めとらえようとするところで1幕が終了。

1幕は、カジモドが可愛そうで涙がつつっと何度か流れてきましたが、2幕は、フロローから愛するエスメラルダを守るために、葛藤しつつも戦うカジモドになっていき、ひたすら応援!

今までフロローが絶対で、従順であったのに、エスメラルダを接した事で、フロローに初めて嘘をついたカジモド。

ノートルダムの鐘を冒頭から見ていると、醜い子供として生まれフロロー無しでは生きてこれなかったカジモドに感じるのですが、フロローがどんどん精神が崩壊していく中で、今度は逆に、カジモドがいる事で実は自分の支配欲を保っていたのではないか?フロローにこそ、カジモドが必要だったのではないか?という風に見えました。

エスメラルダはいなくなった
ようやくまたお前と私の二人だ。
これでまた今まで通り暮らしていける

というフロローのセリフ、フロローにとってカジモドが心のよりどころだったと感じさせます。

最後は、ハッピーエンドではなく、原作よりの終わり方になります。

悲しいのだけれど、とても美しく、余韻の残る終わり方でした。

キャストの感想

カジモド:飯田達郎

初めてみた、飯田さん。歌もセリフも本当に最高でした。

他の方を観ていないので比較できないのですが、カジモドのセリフを言う時の子供っぽさ、無垢さが非常によく出て、引き込まれる引き込まれる。

カジモド役は体が曲がっているから、お腹を丸めてヒザを内股と、身体に力の入りにくい姿勢でビッグナンバーを歌うのに、どこからあんな声が出てくるんだろう。

素人の私にはその難しさは及びもつかないですが、かなりの技術をもった方じゃないと歌えないですよね。

で、歌が上手なのはもちろんですが、ストレートプレイも相当上手にできないと、観客が感情移入できるカジモドにはならないはず。

飯田さんの純粋なカジモドが本当に良くて、もう1回予定している観劇では、他のキャストさんを観たいという気持ちと、でもまた飯田カジモドを観たいという気持ちに。

フロロー:芝 清道

煩悩を抱えた人間っぽい聖職者でした。

立場的には、人に救いを与える役目だと思うのですが、冒頭から最後まで、救いを求めていた人に見えました。自分の弱さを認識しているような。

フロローは、カジモドに「怪物」という言葉を投げかけるのですが、この作品の怪物は間違いなくフロローだと思う。

カジモドを精神的に支配し、エスメラルダに惑わされ受け入れられないからと火あぶりにしようと追い詰める、と一番ひどい事をしています。

でも一番人間っぽかった。実際上記のような事は、当時、位の高い人であればよくやっていた事のはず。

だとすると、怪物=人間っていう事なのかなぁ

という想いがぐるぐる。

劇団四季HPに、演出のスコット・シュワルツ氏のインタビューがあるのですが

『ノートルダムの鐘』は、愛の物語であり、“すべての人間の物語”。「愛とは? 人間とは? 醜さとは?」といった無数の問いに、観客は自分の答えを見つけ出さなくてはなりません。

とありました。

この答えを見つけるのに、個人的には芝フロローが答えを導いてくれそうな、そんな気がします。まだ答えは見つかっていないですが(笑)

エスメラルダ:岡村 美南

しっとりした歌声が素敵なエスメラルダでした。

歌唱に余韻が残る美しい声で、濱めぐさんを思いだしました。

声が高すぎず(アルト?)、自立したエスメラルダ役にぴったり。歌だけでなくダンスも上手で劇団四季はすごい俳優さんをそろえているなー。

3名の方をピックアップさせて頂きましたが、もう全体的に皆さんのレベルが高く、さすが劇団四季。

メインキャストさんはもちろん、アンサンブルさんのレベルもかなり高い。

そして、とても丁寧に演じられているので、舞台からはける時も、どの人も最後まで演じられて雑さが一切なかったです。

今回、劇団四季の秋劇場に行くのは初めて。
場所がよくわかっていなくて、さらに開演時間は分かっていたけれど、開場時間がわからず帝劇とは勝手が違うかなと思い、ちょっと緊張しました。

JR浜松町の北口を出て目の前の信号を渡り、すぐに右に曲がって高速の高架下をくぐり、高校を過ぎたら左折・・・と行きやすかったです。

JR北口の駅には、簡単に四季劇場への案内図も出ていました。

開場時間は13:00
開演時間は13:30

開場前に劇場前に人が多く集まってたからか、中央ロビーだけ15分ほど早く開場していました。

私は早くついたので、劇場前のカフェ「MONDE-CAFE」でカモミールティーを飲んで一息。

ノートルダムの鐘の秋劇場は、ライオンキング上演の春劇場と隣なので、カフェも劇場入口もまぁまぁ混んでいました。

劇場前には小学生や中学生の集団もいましたが、彼らはライオンキングの方へ。

ノートルダムの鐘はもうちょっと大人になってからかな~

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