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劇団四季「ノートルダムの鐘」(田中カジモド、芝フロロー)感想2017年6月16日マチネ

自分では観に行こうと思っていなかったノートルダム。しかし前回観劇した後、余韻が残る残る・・・

ちょうど日比谷ではレミゼ上演中で、レミゼに行く度に涙を流して帰宅するのですが、なぜか2~3日たつと、またノートルダムの鐘の響きが脳内をこだまする・・・・

そんな状態で観劇に向かった2回めのノートルダムでした。

前回は、カジモド役が飯田達郎さんだったけれど、今回は田中彰孝さん。

フロローは同じ芝さんでした。

今までほとんど劇団四季を観てこなかったので、知識がないのですが、カジモドとフロローの関係性が、飯田カジモドと田中カジモドとで違ってくるように見えました。

目次

前回と今回の違いを振り返り

ネタばれもあります。

芝フロロー→飯田カジモド。親が子に抱くような愛情を感じた

カジモドをノートルダムに閉じ込め、外の世界とは触れさせないフロロー。カジモドに「お前は醜い、嫌われる」と洗脳し、ひどい人間に見えますが、醜い怪物(カジモド)を世間の目から守るといった、フロローなりのカジモドへの愛情もあった気がします。

ところどころで、芝フロローは飯田カジモドに温かい。

エスメラルダが死んだあと、カジモドに「ようやくまたお前と私の二人だ。」というセリフも、しみじみとしたカジモドとの生活を懐かしんでいるような感じだったと思います。

飯田カジモド→芝フロロー。小さい子が親に抱くような盲目的な愛情を感じた

親からどんなにひどい事をされても、子供は無条件で親、特に母親が大好きですよね。痛ましいですが、虐待のニュースでも時々聞く話です。

飯田カジモドからも似たような印象を受けました。なんかもう、無垢というか。。。

フロローに支配され「ご主人さま」と呼び、恐怖を感じつつも自分を守ってくれる親のような存在。

その親が正しい愛情で自分を導いてくれていたわけじゃないけれど、他に人を知らないカジモドにとっては、フロローはすべてだったと思います。

ただ、カジモドは純粋で他人を認められる人間だから、内面がフロローよりも強かった。

最後はフロローの方が飯田カジモドにすがったけれど、カジモドはそれに惑わされる事がなく、フロローを殺せた。

フロローを突き落とす場面、

田中カジモドは激しく怒りを露わにしていた感じがするけれど、飯田カジモドは「本人もよくわからない衝動に突き動かされた」ように見えました。(ちょっと記憶がおぼろげ)

飯田カジモドはずっと子供の心のままだったんじゃないかなぁ...いい子いい子したくなるカジモドです。

芝フロロー→田中カジモド。支配力にまみれたフロローだった

飯田カジモドに対しても芝フロローは支配的だけれど、田中カジモドに対しては、さらに支配的。飯田カジモドに対して感じた、温かい愛情がなかったように思えます。もしかしたら、いつもは違うかもしれないですが。。。

家庭でも親の支配が子どもに影響を与える事は多いと思いますが、

・事故が心配だからオートバイは乗らないで、という子供が心配でついしてしまう支配と、

・一流企業に入らないとお母さん恥ずかしいからがんばりなさい、と自分のメンツを守るための支配があり、

今回の芝フロローの田中カジモドに対する支配は完全に後者、な気がしました。

あと、飯田カジモドに対しては「小さい男の子」に対するように接していた気がするけれど、田中カジモドに対しては「(中身が子供のまま)大人になった男性」に接しているようにも見えました。

ちょっとしたひんやり感があるというか。

あと、そもそもこの日の芝フロローはものすごくエゴイスティックで、

自分の欲求を隠せず、しかしそれを認めたくないから、カジモドに自分のいらだちをぶつけて、本当にひどいやつでした。

飯田カジモドでの初回は、「フロローも哀れだな・・・」と思ったのですが、田中カジモドとの今回は「フロローにとっては、聖職者じゃなくて、町のパンやのおやじにでもなって、綺麗な奥さんもらって、たまに綺麗なお姉ちゃんを眺めていた方がよっぽど幸せな人生だったのでは」と思ってしまいました。

田中カジモド→芝フロロー。途中でフロローへの憎悪が膨らんだ

田中カジモドは、飯田カジモドのように、ピュアな印象を受けました。ただ、飯田カジモドのように子供の心のまま育ってしまった印象ではなく、世間を知らないまま育った青年、という感じ。

歌も上手で動きも素晴らしかった。

前回、一幕で飯田カジモドのあまりの境遇に涙が出て、二幕でカジモドが失恋(エスメラルダとフィーバスが一緒になっているところ)している場面では、可哀想だけれども、子供のようなカジモドには、まずはエスメラルダと知り合えて仲良くなっただけでも、十分かと思ってしまいました。

でも、今回の田中カジモドは大人に見えるから、この場面、とても可哀想になってしまった。。。

カジモドだって、恋したい男の子だもんね。。。。

で、エスメラルダ死後、フロローを突き落とす場面では、ガッと背骨を伸ばし大男になり、カジモドの凄まじい怒りと憎しみを感じました。

ノートルダムで一番怖かったシーンです。

この二人の違いが、いつもなのかはわからないけれど、こうなったら海宝カジモドも観てみたい。来年の横浜には出演されるのかな。

その他、キャストの感想です。

踊りが美しかった宮田愛エスメラルダ

前回が、岡村美南エスメラルダで今回は宮田さん。

四季ってすごい!歌も踊りも素晴らしい役者さんがそろって。

宮田愛エスメラルダは、身体がしなやかでダンスシーンだけでも見ごたえがあります。

で、岡村美南さんは声に艶があり素晴らしく聴かせるエスメラルダ。

こう書くと、歌の岡村さん、歌の宮田さんという感じになってしまうけれど、岡村さんのダンスも美しいし、宮田さんの歌声も綺麗です。

こういう方が二人もいるというのが本当にすごい

覇気があって格好いい清水大星フィーバス

前回は、佐久間仁フィーバスで長身イケメン。普通に町にいたらかなり目をひきそうでいかにももてそうです。

今回の清水フィーバスは、佐久間フィーバスに比べると、豪快でお酒をいっぱい飲みそうな印象。

三銃士でいうと、佐久間フィーバスがアラミスとアトラスを足して2で割った感じで、清水フィーバスがポルトスとダルタニアンを足して2で割った印象で、イケメン度でいうと、佐久間フィーバスですが、個人的な好みは清水フィーバスかなぁ。

声にはりがあって、出世しそうです(笑)

聴けば聴くほど美しいノートルダムの鐘

ミュージカルを観に行く前、CDをさらっと聴いたときは、正直そこまで好き!といえるほどでもありませんでした。

レミゼやらエリザやらドラマチックでメロディアスな音楽に慣れてしまっているからだと思います(笑)

しかし、実際に舞台を観た後、繰り返し音楽を聴くたびに発見がある。

たとえば、「日差しの中へ(僕の願い)」は、メロディーの背景音?というのか、キラキラしていて主メロディー以外に、セーヌ川の水面や人々の賑わいが美しく入っているんですよね。

あと、大聖堂で広いパリの街を見下ろしている解放感も感じます。

ノートルダムの鐘、東京はそろそろ千秋楽だから、映画版買おうかなと思っています。

しばらくお別れの四季劇場

ノートルダムの鐘を上演していた秋劇場

5月に終演したライオンキングの春劇場

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