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ウィーン・モダン展の感想|エリザベートに会ってきた♪ 混雑少な目でゆっくり

六本木の国立新美術館で開催されている「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」東京展へ行ってきました。クリムト、エゴン・シーレなどの作品も展示されているのですが....私の一番の目当てはエリザベート(シシィ)!

今週の金曜日(6/7)というか明日、帝劇ではじまるミュージカル『エリザベート』のヒロイン、シシィと夫のフランツ・ヨーゼフ1世の肖像画があるという事で拝みにいきました。

この2人の肖像画...すごく良かった。

そしてフランツ・ヨーゼフ一世の治世下でウィーンの街が発展していく様子を知ることができて、ちょっとウルっときたりして😢

フランツ・ヨーゼフといえば、真面目で働きものだけれど、外交も政治も下手で失敗続き。家族は悲劇に見舞われた悲運の皇帝なので...

でも本展では彼の治世下で文化が大きく華開き、いまのウィーンの街並みが出来ていった事を実感でき、なんだかホッとしました。なんだか上から目線ですが・・・

他にもモダンデザインを堪能でき、銀食器やウィーン工房で作られた椅子から建築まで見ごたえ十分!素晴らしい美術展でした。

平日の13時ごろ到着で、人はそこそこいましたが、1つの作品を平均3~4人が観ている程度。ゆっくり自分のペースで鑑賞できました。

音声ガイドでしゃべってくれるのは、城田優さん。エリザベートでトート役として出演していましたものね~

目次

「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展とは?

「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」、略して「ウィーン・モダン展」の公開のきっかけとなったのは、今年2019年に日本とオーストリア・ハンガリー二重帝国が、国交を結んで150周年という節目を迎えその記念によるものです。

クリムト47点、シーレ22点、ココシュカ17点などウィーン世紀末の巨匠の傑作が集結し、またヨーロッパ有数の博物館として知られるウィーン・ミュージアムで改修工事が行われているため、至宝が本展で公開される運びとなりました。

展示方法は、歴史を追いつつ、建築、インテリア、ファッション、音楽・・・などそれぞれのジャンルに興味のあるファンにも嬉しい内容になっています。

MEMO
日本と国交を結んだのが「オーストリア」ではなく「オーストリア・ハンガリー二重帝国」というと、エリザベート好きであれば知っている人も多い、ハンガリー好きのシシィが、渋るフランツ・ヨーゼフ一世を促してハンガリーに半ば独自の自治権を与えた1867年に成立した二重帝国のこと。

国交を結んで150周年ということは、二重帝国が成立した2年後の1869年に国交を結んでいるんですね~

このころの日本は明治維新が前年に起こっていました。そして1869年に明治政府がオーストリア・ハンガリー二重帝国と通商条約を締結します。

エリザベートはというと、1869年の前年1868年に3女のマリー・ヴァレリーをハンガリーで出産していました。

注意点|クリムトとシーレ目当てでいくと、物足りないかも

個人的には非常に大満足の美術展です。でももし気になる点を挙げるとしたら、展覧会のタイトルにも入っているクリムトとシーレの作品数が思ったほど多くないこと。

展覧会の主旨は、恐らく19世紀末に花開いた芸術運動を、その種がまかれたマリア・テレジアの時代から追ってみていくというもの。

クリムト47点、シーレ22点、ココシュカ17点※となっていますが、素描が多く期待したほど沢山あるわけではないかなという印象。(※大阪展はクリムト18点、シーレ11点、ココシュカ8点)

とはいっても、クリムトとシーレは重点的に紹介されていますし、全体的に展示内容は素晴らしく、個人的には、ウィーン芸術文化を歴史を追って鑑賞できる点が、とても面白かったです。

ウィーン・モダン展の見所

見所1:歴史

ウィーン・モダン展の展示構成は4つの時代にわかれます。ミュージカル『エリザベート』だけでなく、他の作品も頭に浮かぶ楽しめる内容でした。

①啓蒙主義時代のウィーン

最初に出てくるのが、ハプスブルクの女傑「マリア・テレジア」。あのマリー・アントワネットのお母さまですね。

のちに花開く19世紀末~20世紀にかけての芸術運動は、マリア・テレジア、彼女の息子ヨーゼフ2世の啓蒙主義による改革が大きい事が紹介されています。

②ビーダーマイアー時代のウィーン

フランス革命後、ナポレオン登場により混乱に陥ったヨーロッパの各国。秩序を取り戻そうと立ち上がったのが、オーストリアのメッテルニヒ外相(のちに宰相)。「会議は踊る、されど進まず」で有名なウィーン会議の主催者ですね。

このウィーン会議の様子を描いた「ウィーン会議での各国代表たち」(ジャン・ゴドフロワ)。有名な絵で、私もどこかで見た記憶があるのでですが、実際は絵のように代表たちが一堂に集まったのではなく、画家の想像画らしいです。ただこの絵があまりにも有名で、ウィーン会議の絵として一般的なイメージになったのだそう。

メッテルニヒは、ミュージカル『エリザベート』に出てこない人物ですが、シシィの姑ゾフィーがウィーン宮廷に嫁いできた当時、ハプスブルク帝国で実質一番権力を持っていた人です。

メッテルニヒが実際に使っていた赤いアタッシュケースが展示されていて、なんだか興奮💦 このアタッシュケースを手に、政治や外交をしていたのか~

いまのアタッシュケースよりも一回り大きくみえ、縁取りのステッチがおしゃれでした。

メッテルニヒは、秘密警察を使って言論統制、行動の監視を行い、一時的にウィーン文化は停滞します。この窮屈な時代、人々は外ではなく家の中で楽しみましょう、という事で発展したのがビーダーマイア。

ビーダーマイア様式といって、豪華絢爛なバロックや優美なロココとは異なり、素朴でシンプル、心地のよい家具や衣類が発達した時期でした。

このビーダーマイア時代の椅子や銀食器など、シンプルで機能的ながら、スタイリッシュかつ可愛らしさもあり、欲しい~となりました。

③リンク通りとウィーン

リンク通りといえばエリザベートの夫、フランツ・ヨーゼフ1世。

都市をぐるりと囲む市壁の取り壊しをフランツ・ヨーゼフが命じ、ウィーンの大動脈、リンクシュトラーセを完成させます。

ウィーン万国博覧会を描いた絵や、ワルツ王ヨハン・シュトラウスの胸像、そして踊りに興じる人々の絵をみると、当時皇帝がハプスブルク帝国の維持や外交に苦労しつつも、首都ウィーンは発展していった事を思うと、胸が熱くなりました。

④1900年ー世紀末のウィーン

ウィーン・モダン展の中心がこの最後の時代。グスタフ・クリムト、エゴン・シーレ、オスカー・ココシュカ、そして近代建築の先駆者といわれるオットー・ヴァクナーの作品が重点的に紹介されています。

ここの展示で早々に飾られていたのが、「シェーンブルン宮殿書斎での皇帝フランツヨーゼフ1世」。皇帝の書斎には愛しい妻シシィの肖像画が飾られ、皇帝は机で書類に目を通しているという絵です。

おじいちゃんなフランツ・ヨーゼフが、一人執務にあたり、疲れたら肖像画のシシィをながめる・・・という姿を想像して、なんだか切なくなってしまいました。

ウィーン市長カール・ルエーガーの、幾何学的で真珠母貝とアルミニウムの廟がちりばめられた個性的な椅子が目をひきましたが、カール・ルエーガーはフランツ・ヨーゼフが嫌っていた人物なんですよね。

自分の政治目的のためにユダヤ人を強く攻撃した人なので、「自分の帝国内で差別は許さない」としたフランツ・ヨーゼフとは思想的に合わない。ただ、ウィーン市民には非常に人気があり、フランツ・ヨーゼフが折れて、市長就任に同意した人物です。

そしてグスタフ・クリムト、ウィーン分離派の絵画、グラフィック、エゴン・シーレ、ココシュカと続きます。グスタフ・クリムトの生涯のパートナー、「エミーリエ・フレーゲの肖像」は撮影許可が出ていました。

見所2:エリザベートとフランツ・ヨーゼフ一世の肖像画

個人的な興味ですが、やっぱりエリザベートとフランツ・ヨーゼフ。

エリザベートがもう本当可愛い。綺麗。

「リンク通りとウィーン」のエリアで、フランツ・ヨーゼフ一世と並んで肖像画が飾られているのですが、2人ともキラキラで幸せそうで、このまま幸せな2人でほしかった....

エリザベートコーナーはごく一部でしたが、キラキラの肖像画を見ることができただけで、この展覧会にきた甲斐がありました。

見所3:音楽

ウィーンといえば音楽♪

作曲家が何名かとりあげられ、一番扱いが大きかったのがシューベルト。シューベルトが愛用していた丸眼鏡もありました。

モーツァルトはフリーメイソンつながりで少し。音声ガイドに収録もされていた、ヨハン・シュトラウス2世の美しく青きドナウ、そしてシェーンベルク、マーラー。

シェーンベルクは友人で画家のリヒャルト・ゲルストルの影響で絵も描くようになったのですが、ゲルストルはシェーンベルクの奥さんと情事を犯し、のちに自殺するという悲劇にあったそうな。

見所4:建築

オットー・ヴァーグナーをはじめ、ウィーン分離派やモダニズム建築のデザイン画や模型が多数展示されています。

保守的な建物を否定したアドルフ・ロースの「ゴールドマン&ザラチュのオフィスビル」の模型がこの展覧会の最後に展示されていたのですが、従来のイタリア・ルネサンス様式やバロック様式ではなく、現代のホテルのように簡潔で下層階には紳士服店が入ったこの建物は当時、スキャンダルになったそうです。

窓辺に花を飾ることで許可が下りたそうですが、日本も武家屋敷の街並みに突如、団地が建ったらみんなびっくりするよな~と思いました。

見所5:インテリア&ファッション

ポットや調味料入れ、燭台といった小さいものから家具までシンプルでおしゃれで本当に素敵。ドレスも締め付けるものではなくゆったりと動きやすいものに変化してきていて、かといってファッション性を失うことがなく、眺めていて飽きませんでした。

ウィーン・モダン展のグッズ

今回、私が買ったのは次の3つです。

①図録(東京、大阪共通) 「ウィーン・モダン」展の全出品作をオールカラーで掲載したもの

大きい方を買いましたが、ミニ版も売っています。

②エリザベートのポストカード(東京、大阪共通)

③日比谷花壇 ドライフラワーアイテム (東京のみ)

ドライフラワーが入ったガラスのボトル。200個限定発売だそうです。おしゃれでつい欲しくなりました。

公式サイトでも、ウィーン・モダン展のグッズ紹介はされていますが、↓
https://artexhibition.jp/wienmodern2019/sales/

実際はもっと多かったです。

各肖像画やイラストの入ったクリアファイル、ノート、紅茶、ジャムなど。

エリザベートの肖像画が入った紅茶を買おうか迷ったのですが、買いませんでした。やっぱり買えば良かったかな~

あと、公式サイトにのっているクリムトのTシャツが可愛くて、ファンの方なら要チェックかも。

マイメロディとコラボしているぬいぐるみも可愛かったです。

ウィーン・モダン展の混雑状況

平日13時に訪れたら、人はそこそこ入っているけれど、混雑しすぎてすすめないという事はなく、自分のペースでゆっくり見学できました。

休日に関して公式ツイッターアカウントが、GWに混雑しているというアナウンスを(恐らく)一度出していましたが、それ以外は今のところひどい混雑はしていないようです。

ただ、展覧会がテレビで紹介されるという告知があったので、以降は休日は混雑するかも。行く予定の方は早めが良いかもしれませんね。

もしツイッターアカウントをお持ちであれば、ウィーン・モダン展の公式アカウントをフォローしておくと、混雑している時にアナウンスしてくれると思うので、便利だと思います。

所要時間

ゆっくり鑑賞して、1時間半~2時間くらいでした。1時間半は見た方が良いかなと思います。

最後に注意!

館内は冷房がしっかり効いていて、長い時間いると寒くなってくるので、夏は羽織るものがあった方が良いと思います。

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