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王家の紋章感想2021年8月7日帝国劇場(海宝・平方・新妻・神田)

4年ぶりに王家の紋章を観ました。

舞台感想の前に。

まだまだ感染が続くこの世の中、近くの席の女性2人が、一言も発声せず、指でジェスチャーしたりスマホに文字を打ち込んで会話しているのをみて感動しました。すごい!徹底している!

1人でも関係者が陽性になったら公演中止になるリスクがある中、絶対に自分たちは気をつけるという意志が感じられ、私も見習いたいと思ったのでした。

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さて、王家の紋章。

やっぱり、ミュージカル版の王家の紋章の見所は、アイシスとイズミルですね💛

MEMO

※平方さんのイズミルの記載部分、追記しました(8/16)
イズミル役が格好いいミュージカルとずっと思っていましたが、そう思わせてくれる役者さんが凄いのだなと理解したので・・・

初演の感想やあらすじなどはこちらから⇒

目次

キャスト(2021年8月7日ソワレ)

メンフィス:海宝直人
キャロル:神田沙也加
イズミル:平方元基
アイシス:新妻聖子
ライアン:植原卓也
ミタムン:綺咲愛里
ルカ:前山剛久
ウナス:大隅勇太
ナフテラ:出雲綾
イムホテップ:山口祐一郎
ミヌーエ将軍:松原剛志
セチ:坂口湧久

感想

王家の紋章を作曲されたシルヴェスター・リーヴァイさんが、アイシス(メンフィスの姉)またはオリジナルキャストの濱田めぐみさんの事を気に入ったのか、とにかくアイシスのナンバーが良いのがこの作品。

国宝級の歌姫、濱めぐさんのキーに合わせて曲を作っただけあって、初演、再演は濱めぐさんアイシスの歌を劇場で聴くだけでも十分チケット代の元はとれた程でした。

今回アイシスがWキャストになり、そのうちの1人がこの日観劇した新妻聖子さん。初演・再演でキャロルを演じています。

再再演のキャスティング知った時から、聖子ちゃん絶対アイシス似合う!!と確信がありました。

実は初演時キャロルにキャスティングされたとき、聖子ちゃんだとしっかりし過ぎて、落ち着きのないキャロルのイメージとは少し違うんじゃないか?と思ったのですが、聖子ちゃんキャロルとても可愛くて自分の杞憂に終わりました。でも今回聖子ちゃんアイシスをみると、キャロルに留まるなんてもったいない。アイシス演じてくれて感謝―!さすが王族。

歌も良いのですが、視線一つ一つにメンフィスへの気持ちが強くこもっていて、目が離せなくなり、アイシスの出番の多い一幕では、私のオペラグラスはほとんどアイシス様を追っていました。

おけぴさんの動画の冒頭、アイシスの「王家の呪い」↓

作品冒頭のシーンで、墓を暴いた調査隊やキャロルたちに黒マントに身を包んだアイシスが「王家の呪い」を歌います。

この場面、アイシスがメンフィスの墓を何千年も守ってきたと想像すると泣けます。。。

 

聖子ちゃんアイシスからは、メンフィスに対してありとあらゆる愛情を感じました・・・姉として、母として、そして恋する女性として。

メンフィスがキャロルに興味を持ったときの、アイシスのひきつった顔!

メンフィスへの気持ちは強いのに下エジプトの女王としての誇りも高いがゆえ、メンフィスの前で素直に気持ちを伝えることが出来ず、「戦」をメンフィスにほのめかしてしまう悲しさ。

王家の紋章をミュージカル作品としてみると、キャロルやメンフィスは葛藤が少なくて(もちろん時空を超えてしまったキャロルにも葛藤はあるがミュージカルでも原作でもさほど深刻にみえない)、

愛するメンフィスをキャロルにとられるアイシスや、ミタムンを奪われたイズミルの方が、情念は深く、それゆえ作曲するリーヴァイさんも魅力的な音楽を与えたのかもしれないです。

もちろんそれらの曲を歌いこなす俳優さんがいて、音楽は磨きを増すものだけど。

 

今回初出演の海宝直人さんメンフィス。

海宝さんは、「暴君とも言われる古代エジプトのファラオ」のイメージはなく、パンフレットをみたときも、メンフィスというよりアイシスっぽい!!と思ったのですが、意外にも弟キャラっぽさが出た可愛いメンフィスでした。

エジプトの衣装を身に着けた海宝さんをみて、なんといって良いかわからないというのも正直な所なのですが、たぶん2.5次元俳優さん以外、メンフィスに扮して舞台にたつのは難しいんじゃないでしょうか。

そう考えると、メンフィス役に違和感のない浦井健治さんは稀有な役者さんなんだなーと舞台を観る前から思ったり。

でも海宝さん、歌は流石です。

王家の紋章は、初演も再演も面白く見たのですが、改めて再再演みると、似た曲が続いたり展開のテンポが遅かったりで、間延びした個所が結構あるなと今更ながら思いました。

特に一幕は、ミュージカル作品というより、セリフを歌にのせる音楽劇のような感じ。演劇要素が少ない。

でも単調になってしまう舞台を、海宝さんの歌声が埋める。

帝劇でかつて感じた山口祐一郎さんや井上芳雄さんの劇場空間を支配する歌声、の感覚に近いのかな?

うまく表現できないけど、海宝さんは、単に技術的に歌が上手なだけでなく歌声でその空間を変えられる人、という印象を持ちました。

先の話ですが、来年のKAATで行われるノートルダムの鐘、海宝さんカジモドで出てくれるかな?
 

今回の最大のお目当て、平方元基さんイズミル!

はぁ....やばい。格好いい。

初演から一貫して格好いいイズミル。

前にも書いたけど、原作初期の冷徹さを身にまといながら心のうちに情熱を秘めるイズミルに近くて大好き。

歌もさらにパワーアップしてさらに上手になっている気がするし、すっとブレることなく立っている姿が高貴な王子そのもので美しいです。

王家の紋章はDVD出ていて、本当は平方さんのイズミルで欲しいんだよなぁ。めぐさんアイシスも出ているし。

でも平方さんとDVDでペアで出ているキャロルがどうしても自分は受け入れられなくて。

聖子ちゃんキャロルとの組み合わせなら間違いなく買うのになぁ。

8/16 追記
私は初演の頃から、ミュージカルではメンフィスよりイズミルの方がずっと格好よく素敵に描かれていると思っていました。

原作でも激情型のメンフィスより冷静沈着なイズミルの方が自分の好みだったせいもあるのですが・・・

しかし2021年のもう一人のイズミル、大貫さんを観た際、王家の紋章ミュージカルの話の流れだと、イズミルを魅力的にみせるのって実は難しいんだなと思ったのです・・・

妹のミタムン王女を殺されたイズミルはエジプトに報復するため、メンフィスが大切にしているキャロルを拷問しエジプトとの戦いにキャロルを囮に使います。

このイズミルを魅力的、格好いいと思えるか。

ここがどうやら役者さんの力のようだと思いました。

妹のためとはいえ、キャロルを囮にしてエジプトと戦おうとしている姿は、ずるい卑怯者にも見えます。

それでも私がイズミルを恰好いいと思えるのは、1幕ほとんど出番のなかったイズミルが2幕早々2曲続けて歌うナンバーがあるから。(この構成もどうかと思うけど)

確か「囁き」と「略奪」の2曲。

1曲目の怪しげなメロディーにのせてキャロルを奪いながら、私たち観客もイズミルの世界に誘われ、その後、ロック調の激しいナンバーでイズミルにねじ伏せられる

ここで、一気にイズミルに気持ちを持っていかれると思うんです。

初演、再演のWキャストだった宮野真守さんのイズミルは感情豊かに表現され、今回Wキャストの大貫さんイズミルは感情を出してこない。

平方イズミルがすごいのは、感情をわかりやすく出す激情型ではないのに、色気と心に秘める冷たい炎みたいなものがこの2曲で感じられること。

とりわけ今年はクールなのだけど炎がメラっと垣間見える感じでそれがたまらない笑

私の個人的な好みが大きく影響しているとは思いますが、平方さんのさじ加減が原作初期のイズミルにとても近いと思うし、格好いいです。

自分が囮にしていたキャロルがエジプト兵が死傷し嘆く様子をみて、平方イズミルの表情は微妙に変化していく。キャロルを剣で切ってしまった時の「しまった」という思わずでてしまう表情もよく、冷静沈着なはずの王子が思わず吐露した感情、というのがとても自然です。

なんだか暑苦しくなってしまった💦

いいたい事は、イズミルの演じ方によっては、単に冷たくひどい男にしか見えない可能性もある事に今年気づいて、改めて初演からずっと素敵なイズミルでいてくれる平方さんはすごいと思った、という話です。

さらに追記

今年の王家を観に行った宮野真守さん、radikoで平方さんのことを話していました。ゲンキミルの中にマモミル入ってるなーと感じ、あとから平方さんとの会話で、「マモが入ってきちゃうんだよー」と言われたと言っていました・・・!

だから今年はよりクールさと熱さの差が感じられたのかな? マモさん「元基はほんとう歌うまくて格好よかった」そうです!

 

神田沙也加さんキャロル。

メンフィス目線でみると新鮮で女の子らしくて、思わず惹かれちゃうのもわかります。アニメキャラ感がよく出ていて、とても可愛い。

私は今まで沙也加ちゃんの歌に不安を覚えたことはないのだけど、キャロルは音程が不安定になる所がいくつか。

たぶん、キャロルが最初の方で歌う曲はキーが高いのと、もしかしたら王家の紋章は音程がとりにくい曲が多いのかなと思ったり。沙也加ちゃんだけでなく、他の俳優さんでも音が迷子になっちゃうことが何度か。

でも初演、再演でキャロルを演じた聖子ちゃんは普通に歌っていたから、やっぱり聖子ちゃんって歌すごく上手なんだなーと改めて思いました。

 
ライアン兄さん植原卓也さん。

伊礼さんがかつて演じた役で伊礼さんは不思議と合っていましたがw 古代の人物ではなく設定上は現代の人間で、でも今よりは古い時代でというのが、羞恥を増すのかもしれない。あの長髪と縦縞のスーツは。

初演時はエジプトやヒッタイトの衣装の再現度が凄いと思ったけど、ライアン兄さんの原作再現度もすごいですw

植原さんも音程が不安定な個所がちらほら。TdVのヘルベルトの時は特に感じなかったんだけどな。

 

ミタムンの綺咲愛里さん。

ミタムンは、初演の頃炎と一緒に踊る激しいダンスがあり、それが怖いという感想も多かったのですが、再演、再再演と来てミタムンの激しさは無くなりました。でもそのせいでミタムンの存在は感じられても、見所が減ってしまったよなーと思います。残念ながら印象残らず。ポーの一族で天使のような綺咲愛里さんを覚えているので、本当に残念ですが、これは綺咲愛里さんのせいじゃないですね。。。

 

イムホテップの山口祐一郎さん。

とても声が苦しそうでした。調子悪かったのかな。初演時も再演時もイムホテップの美声が劇場にとどろき、自分もそうでしたが周囲の座席からもイムホテップ凄いの声がたびたび聴こえるくらいだったのに心配です。調子戻ると良いのだけど。
 

再演に続き素晴らしい美声だったのが、ナフテラの出雲綾さん。余韻の残る美しい声と出雲さんの優し気な雰囲気が、ナフテラにぴったりでした。

 

やっぱり感想がアイシスとイズミルに偏ってしまう。

スピンオフ作ってほしいくらい!

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