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ミュージカル「天使にラブソングを~シスター・アクト~」感想2019年/森・朝夏デロリス!

渋谷ヒカリエの東急シアターオーブへミュージカル「天使にラブソングを~シスター・アクト~」を観劇してきました。

観劇日

11/16マチネ 朝夏まなと/大澄賢也
11/28マチネ 森公美子/今拓哉
東急シアターオーブ

すごく良いミュージカルでした!!!

圧倒的な音楽のパワーを感じ、楽しくて幸せで、でも泣けちゃうんだなぁ

音楽の良さやストーリーのテンポの良さなど、もともとこの作品が持つ力も大きいと思うけど、

それを体現できる実力のある役者さんを適材適所に配置しているため、作品の魅力を100%以上伝えていたように思います。

つまりキャスティングが良い

そうそう。私はいい作品を上手な人たちで観たかったんだよぉぉぉ~

と心の声に応えてくれたような舞台

シスターたち、全員おんなじ服着ているのに、全然個性が隠れていない(笑)

一人一人の魅力的が爆発していました。

目次

「天使にラブソングを~シスター・アクト~」簡単な説明とあらすじ

簡単な説明

このミュージカルは、大ヒット映画『天使にラブソングを・・・』を原作としたミュージカル。

映画の主演は『ゴースト/ニューヨークの幻』のインチキ霊媒師役などで、すでに知名度のあったウーピー・ゴールドバーグ。『天使にラブソングを・・・』は彼女の人気を不動のものにした映画です。

日本人キャストによるミュージカル公演は2014年初演を迎え、2016年に再演。今回が3度目でした。

初演と再演は帝劇で行われ、3度目の今回は東急シアターオーブ。3度目にしてようやく観劇することになりましたが、できれば帝劇でみたかったかなー。

修道院が舞台なので、ロビーの帝劇のステンドグラスが雰囲気ぴったりな作品と思います。

ただ、この時期帝劇は4年ぶりのダンス・オブ・ヴァンパイアだったので、仕方ないのかもしれませんが。

ちなみに映画『天使にラブソングを・・・』の音楽は、モータウンサウンドを主とし、60年代ごろのポップな黒人音楽+讃美歌を、『ヘアスプレー』を手掛けたマーク・シャイマンがアレンジ。

一方、ミュージカルではアラン・メンケンが、全曲書き下ろしをしています。

ミュージカル楽曲版の大半が、70~80年代に世界的に流行ったソウル・ミュージックのテイストで作られ、時代背景も映画は製作時の90年代なのに対し、ミュージカルは70年代。

シスターたちがディスコサウンドにノリノリで、警官のエディもサタデー・ナイトフィーバーのトラボルタ並みに踊るし、とても楽しい。

それにしても、アラン・メンケンさんの作風の幅広さを改めて恐れ入りました。ノートルダムの鐘、アラジン、リトル・マーメイド、美女と野獣、ヘラクレス、ニュージーズ、リトル・ショップ・オブ・ホラーズ 、そしてシスターアクト...と、同じ作曲家?いわれてもわからないかも。

簡単なあらすじ

クラブ歌手の主人公デロリスは、ギャングのボス、カーティスの愛人。ある日カーティスの殺人現場を目撃してしまい、命を狙われるはめに。

救いを求めてかけこんだ警察にいたのは幼なじみのエディ巡査。

エディのアイディアで、絶対にデロリスが見つからない場所として選ばれたのが、厳格な修道院だった。

破天荒なデロリスと厳格な修道院長は反目しあう。特に修道院長の悩みは深い。

しかし聖歌隊を任されたデロリスの特訓により下手くそだったシスターたちの合唱がみるみる上達。

人が集まらなかった教会に、シスターたちの歌声を聞きに人が集まるようになってくる。

デロリスの影響で「自分を信じる」ことを発見するシスターたち。そしてまたデロリスもシスターの影響で、「他人を信頼する」ことの大切さに気付く。

が、ある日、デロリスが修道院に隠れていることを、ギャングたちに見つかってしまう。

デロリスとシスターたちはどうなるのか....

「天使にラブソングを~シスター・アクト~」のキャスト感想

デロリス役:森公美子、朝夏まなと

森公美子さんは、まさにはまり役。

映画版を観ている人には特にしっくりくる、見た目も中身もデロリスだと思います。

初演から演じ続けているのも納得!

歌や動きもインパクトがあって、ちょっとした動作で笑いがとれるのはさすが。

でも個人的には、モリクミさん演じるデロリスの内面にほろっと来ました。

デロリスの「自分の事しか考えていない」のがすごく強く伝わってきます。

でも、嫌な人間ではない。

「信じられるものが何もない。でも自分自身だけは信じてやろう」その思いが自己中心的な言動に結びついてくるのがよくわかるデロリスです。

ずっと自分を一番に生きてきたのに、修道院を去りエディに匿ってもらった部屋で、自分の欲望とシスターたちへの想いに引き裂かれる。

自分をとるのか?彼女たちに寄り添うのか?

陽気で奔放なデロリスが、今までに感じた事のない感情と葛藤している姿に、思わず涙が出てしました。
 

朝夏まなとさんデロリスはゴージャス!

モリクミさんと比べると、もう少し早くからシスターに心を寄せているようにも見えました。

ローマ法王の前で歌うことになったシスターたちが、寝ている朝夏さんデロリスのところへやってきた時、シスターたちにかける言葉や表情があたたかく、修道院でとても慕われていることが伝わってきます。

自分が公演2日目、朝夏まなとさん初日に観劇したので、以降変わったかもしれませんが、ひまわりのように人々を明るい気持ちにさせる女性と思いました。

朝夏まなとさんに心から拍手を送りたかったのが、ご自身の初日に完全に吹っ切って演じられていたこと。

コメディは難しいと聞きますが、自分でどこまで振り切っていいか手探りしながら公演を重ねていく役者さんもいると思います。

同時期に帝劇で開催していたダンスオブヴァンパイアもコメディ作品で、初参加の人たちは公演がすすんでいくうちに、エンジンがかかり面白くなっていった感じ。

でも初日の朝夏まなとさん。聖歌隊のコーラスで修道服を着ながら、飛び蹴りのようなアクションを起こし、笑いの中心に身投げしているのかと思えるくらい、体当たりでぶつかっていましたね。

宝塚でトップを務めていた方、覚悟が決まっていらっしゃる。

観ていて最高に気持ちよかったです!

エディ役:石井一孝

石井さんの舞台をみるの久しぶり。

真面目で愛嬌がある、なんとも可愛らしい巡査でした。

ミュージカルの醍醐味だと思うのだけれど、一人一人にナンバーを書いてくれるから、そのキャラクターがより愛しくなるし、親密に感じる。

エディと一緒ならデロリスは絶対しあわせだよ~

エディがトラボルタのポーズをとりながら歌う「いつか、あいつになってやる」はこの作品の中でも3本の指に入る大好きなナンバーになりました。

石井一孝さんは、映画『天使にラブ・ソングを2』の日本語吹き替えもしているんですよね。美声の持ち主だけれど、自信がなくて大きい声が出せず、でも最後に美声をとどろかせるウェスリー・グレン・”アマール”・ジェームズの吹き替えです。

カーティス役:大澄賢也、今 拓哉

カーティスは最低の最低なんだけれど・・・・

ひどい歌詞なのにおしゃれなダンディー風の歌があって、笑えます。

というかカーティスの曲、かなり好きだw

やっていること言っていることはひどいのに、憎めない。

大澄賢也さんは、スーツ着ただけで悪人+ちょっとおバカオーラがありました。イメージのカーティスにぴったり。

今 拓哉さんは、悪ぶっているけど、いい人オーラが漏れていた気がするw こちらもおバカな感じで笑えました。

シスター・メアリー・ラザールス役:春風ひとみ

キレッキレのダンス(ラップ?)で、動くだけで笑っちゃう。

すごくおばあちゃんっぽいのに、ファンキーぶっとび!

腹筋が痛いほど笑わせてもらいました。

この次で紹介する未来優希さんもそうだけれど、私にとってはエリザベートの母親ルドヴィカ役のイメージが強くて、こんなにコメディセンスある方なら、もっと他の舞台の春風さんもみたいです。

シスター・メアリー・パトリック役:未来優希

春風さん同様、個人的にはエリザベートの母ルドヴィカ、またはマダム・ヴォルフのイメージが強いお方ですが、

シスター・メアリー・パトリック役最高!

そういえば、レディベスのメアリー・チューダーもすごい良かった。コメディがほんとうに似合う。

底抜けの明るさ、周りにとどろく美声、パワフルさと多くのシスターの中でもとりわけインパクト大。

自分の推しシスターあげろといわれたら、未来さんパトリックを選ぶ。

シスター・メアリー・ローバート役:屋比久知奈

屋比久さんは今後、ミュージカル界の宝となっていくのではないでしょうか。

屋比久さんのソプラノが抜きんでて美しく、内気なメアリー・ロバートらしく可憐で、映画のイメージそっくり。

「穢れがない」とは屋比久さん演じるメアリー・ローバートのこと。

この作品のキャスティングしてくれた人、最高です。

屋比久さんのメアリー・ロバートが可愛すぎて、この先ミス・サイゴンのキムを演じると想像しただけで、胸がつぶれそうになりました。。。

修道院長役:鳳蘭

なんというお芝居のセンスなんでしょう..

コメディの「間」が素晴らしい。

厳格で、観客にちょっと笑われるような存在の修道院長なんですが、クスッとした観客の笑いを呼び込むのがほんとうに上手。

デロリスとは対立しているけど、最後のこのやりとりは泣いてしまう。

修道院長:「これは神のおかげなのでしょう」
デロリス:「これは人と人との繋がりによるものでしょう」
修道院長:「もしかしたらそれは同じなのかもしれませんね」

この鳳蘭さんの言い方、とてもあったかくて泣いてしまいました。

2人が大切にしているもの。それは同じものなのかもしれない。

xxx

TJ泉見洋平さん、ジョーイKENTAROさん、パブロ林 翔太さんのおバカトリオも可愛かったです。

小野武彦さんのオハラ神父は癒し系。

ローマ法王の登場の仕方には思わずびっくりしました。

そうか~ そうきたか~

ストーリーも楽曲も良い作品を、その役にあった役者さんをキャスティングしてくれた、最高の舞台だったと思います。

何度も言いますが、キャスティングしてくれた方、ありがとうございます!

2020年7月は渋谷の東急シアターオーブで来日公演もあるみたいですね。→https://theatre-orb.com/lineup/20_sister/

また日本版のこのメンバーで観たい気もするけれど、せっかくだから来日版も行こうかな!

2019年~2020年キャスト

デロリス・ヴァン・カルティエ(Wキャスト):森公美子、朝夏まなと
エディ:石井一孝
カーティス(Wキャスト):大澄賢也、今 拓哉
シスター・メアリー・ラザールス:春風ひとみ
シスター・メアリー・パトリック:未来優希
シスター・メアリー・ロバート:屋比久知奈
TJ:泉見洋平
ジョーイ:KENTARO
パブロ:林 翔太(ジャニーズJr.)
オハラ神父:小野武彦
修道院長:鳳蘭

荒田至法、石川 剛、坂元宏旬、常住富大 、池谷祐子、伊藤典子、伊宮理恵、大竹萌絵、神谷玲花、河合篤子、坂口杏奈 、柴崎咲子、鈴木裕香、須藤香菜、田中利花、千葉由香莉、堤 梨菜、元榮菜摘、吉田彩美

公演情報
2019年11月15日~12月8日 東急シアターオーブ(東京)
2019年12月14日~12月15日 オーバード・ホール(富山)
2019年12月21日~12月22日 静岡市清水文化会館マリナート(静岡)
2020年1月2日~1月6日   梅田芸術劇場メインホール(大阪)
2020年1月9日~1月10日   愛知県芸術劇場大ホール(名古屋)
2020年1月23日~1月27日  博多座(福岡)
2020年2月1日~2月2日   まつもと市民芸術館主ホール(長野)

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