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劇団四季「ノートルダムの鐘」初!川口竜也フロローの感想。怖くて強烈なフロロー

2日連続の観劇となったノートルダムの鐘。

2日とも村フロローの予定でしたが、突如2日目のフロローが、川口竜也さんに!!!

いよいよ3人目のフロロー。最後のフロローの登場です。

川口フロローの感想はというと、

初日とは思えないほどフロローという役にのめりこんでいたと思うし、他のフロローとは違う川口さんのフロローだったし、歌もさすがの迫力で、いくら拍手しても足りないほどでした。素晴らしかったです。

そして、かなり強烈なフロローで、観劇後、自分的にどう解釈したらよいのか、ずっとぐるぐる。

という事で、まずは川口フロローについてです。全て、私の個人的な独断と偏見に基づいた感想です。

目次

川口フロロー!怖い。歌うまい。

川口竜也さんといえばジャベール

レミゼファンなら、川口竜也さんといえば、ジャンバルジャンの宿敵「警部ジャベール役」でおなじみではないでしょうか?

ジャベールは、主役のバルジャンと同じくらい作品にとって重要で、人気もあります。レ・ミゼラブルのジャベールは、己の正義を信じるあまり、最期は自殺までしてしまう役です。

レ・ミゼラブルとノートルダムの鐘は、両作品ともヴィクトルユゴーによるもの。

ジャベールもフロローも、自分の正義に身を囚われ最後は自身を滅ぼす、という点で共通する部分があり、ジャベール役者の川口さんが演じるフロローに、期待が大きく膨らみます。

良く響く低音ボイス、劇場をゆるがす豊かな声量。川口さんが歌うなら間違い、といえるほど上手な方なので川口さんフロローの登場はいまかいまかと待っていましたが、幸運にもデビューの日に巡り合うことができました。

 

さて、川口さんのジャベールを2016年のレミゼで観たとき、

この時は3人のジャベール役者さんがいたのですが(川口竜也さん/吉原光夫さん/岸 祐二さん)、私の印象では、川口ジャベールは《話をしたら、もしかしたら聞いてくれそうな雰囲気がある》こう思いました。

ジャベールって、「法こそ正義」な人間で、ひもじい思いをする姪っ子のためにパンを盗んだバルジャンや、不幸続きで娘のために娼婦に身を落としたファンテーヌに、みじんも同情しないんですね。

情状酌量の余地を与えない人間で。

川口ジャベールも厳しいんだけれど、でも、どこか一部のゆらぎがあって、「あ、川口ジャベールなら話を聞いてくれるかも」と1ミリ程度ですが、思いました。(他のジャベールにはそんな余地もなかっった)

だから、川口さんがフロローを演じると聞いて、厳しいながらもどこか温かみのあるフロローなのでは?と予想していたのですが裏切られました(笑)

怖さNO.1かも?絶対に一緒に暮らしたくないフロロー

ノートルダムのフロロー役者さんは、観劇していてどの人でも必ず怖いポイントが出てくる、と思っています。

エスメラルダに、自分の欲望を隠して「(私と一緒にいるのがお前のためだから)一緒に大聖堂に住もう」と、じりじり迫りながら伝え、

エスメラルダから「わかっているの?私を見るその目つき」と、指摘され、激高するシーンがあるから。

ただ、そこに行きつくまで、カジモドとのやりとりなどで怒りをあまり見せないフロローもいて、野中フロロー、村フロローはそのタイプと感じています。

芝フロローは、支配的な部分が出ていて、カジモドが可愛そうに思えるシーンが最初の方からちらほら。

そして川口フロロー!

カジモドとの主従関係がかなりはっきりしていて、今までの3フロローで感じてきた、

「エスメラルダに出会う前は、カジモドとフロローは家族(親戚)としてそれなりに幸せにやってきたんだろう・・・」

こう思える余地がゼロでした。(芝フロローも日によっては、カジモドと家族関係があったようには見えないときがあり)

川口フロローは、自分にとって不都合や気にくわないことをカジモドがやると、突如激高して、暴力も辞さない感じ。

一緒に住みたくないし、上司にはしたくないタイプです。

そして私にとって、川口フロローが他の3フロローと一番違うと感じたのは、カジモドからフロローへの愛情が感じられなかったこと。

今回、たいじゅんカジモドとのペアだったのですが、たいじゅんカジモドって優しく育った青年で、どんなフロローでも「はい、ご主人さま」と首をこくんとうなずく忠犬っぽいところがある、と思います。

でも、そんなたいじゅんカジモドでも、川口フロローへの本当の愛はなかったんじゃないか...? と思えたんですね。

実際のところはわかりませんが。。。

素直なたいじゅんカジモドだから、「自分はご主人さまを慕っているし愛している」とは思っていたかもしれないけれど、その気持ちは、川口フロローによって無理やり植え付けられ思いこまされたもの、という気もします。

川口フロローは、ジェアンが生きていたころ、弟へのまなざしはすごく優しいんですよね。ジャベールの印象が強いから、あ、川口さんこんな優しい笑顔を観たの初めて、と観劇途中で思ったくらい。

それが、カジモドには恐ろしいほど支配的になってしまう。

 

では、川口フロローにとって、カジモドは大切じゃなかったのか?というと、フロローは自分がカジモドを愛している、と認識していたと思います。

お祭りのシーンでカジモドが鞭を打たれたときは、

鞭の音がなるたびに、目をぎゅっとして肩をふるわせて辛そうにしていて川口フロローにとって、カジモドはやはり唯一の大切な存在だったはず。

ただ、愛し方が間違っていた。

 

今までのフロローは、エスメラルダに対して間違った愛(フロローの欲望)を抱いていた、という印象ですが、川口フロローはそもそも愛情の持ち方が分からない人、という印象。

愛し方のわからない人が、子供を育ててしまった悲劇
女性を好きになってしまった悲劇

こう強く感じました。

 

私の個人的な感想ですが、

たぶん、川口フロローはジェアンとともにみなしごで、幼少期にきちんと甘えられなかったんではないでしょうか。。。。弟のジェアンは兄に甘えられたけれど、兄のクロードは甘えられるチャンスがなかった。

そしてもともと川口フロローは内面の弱い傲慢な人間で(これは芝フロローにも感じている点)、

青年のときは、ほがらかな部分もあったが、地位が高くなるにつれ、傲慢さが強くなり、

自分の意に沿わないものは、自分のパワーで抑えてしまうようになってしまったのではないか、と思えました。

まぁ、パワハラです。

 

今までのフロローに対して私は、女性(エスメラルダ)に対して欲望があるのに、そんな欲望を認めるわけいかないから、自己を正当化する為の悲劇が起こってしまった=人間が欲望を抑えすぎるのはよくない、と思っていました。

でも川口フロローの場合、幸せな幼少期を過ごさないと人格形成にゆがみが出てしまう、自分も周りも破綻させてしまう、と思えました。

とにかく濃いフロロー。

エスメラルダの死後は、よろよろと涙を浮かべながらカジモドに、「これで元通りに戻れる」とすがりつくように言うシーンは、結局のところ、カジモドにとってのフロローよりもフロローにとってカジモドの方がよっぽど精神的に必要な存在だったのでは?と思いました。

かなり印象に残るフロローで、本当に怖かったです。

声、歌、めちゃくちゃ良い

ドーンと深みのある低音で、ヴィラン役にぴったりな川口さんの声。

フロローの迫力を楽しめます。

歌もさすがのうまさ。

この初日のヘルファイアーも素晴らしかったですが、フロローという役が今後さらになじんだら、クワイヤやアンサンブルさんたちとの掛け合いが一層素晴らしくなるはずです。

あまりの濃いフロローに、ただただ圧倒されていましたが、カテコの川口さんのほっとした表情を見て、こちらもうれしくなりました。

おそらく、これから川口さん演じるフロローもまた変わっていくかもしれません。

この特別な初日に、濃いフロローを観られ、嬉しいです。

観劇メモ①2018年5月24日マチネ

この前日に行われたノートルダムの感想です。

MEMO

横浜公演ノートルダムの鐘7回め
飯田達郎カジモドx4回め
村俊英フロローx2回め

2階席で味わう飯田達郎さんの美声

久々のたつカジでうれしかった。

やっぱりかわいい。

特に、世界の頂上でのシーンでは、エスメラルダの方をちらっちらっと見ながら、すぐに下を向いちゃうのが、フロロー以外の人間に接したことのないカジモドの戸惑いが伝わって、こちらの胸がキュン。

そして、この日は二階席の最前列にいたのですが、たつカジさんの声って、ぶれずにまっすぐ、まるで大きな大砲のように気持ちよく届く・・・

カジモド用に、しわがれた声でしゃべるシーンもあるんだけれど、あらためてとてつもない美声の方だと実感しました。

この日は、石になろうのシーンで、床をにど、バンバンと叩く場面があり、これは私が知る限り初めて。カジモドのいらだちがいたいほど伝わり泣けました。

あと、フロロー突き落としのシーン。

たつカジは、ここであのかわいかったカジモドじゃなくて、はっきりと怪物に変化する、と感じました。

目元がもう正気じゃなくて、この瞬間だけ、別人格に乗っ取られたよう。だからこそ、この後「僕の愛した人はみんな死んだ」と子供のように言うセリフに説得力がありました。

前回より厳しさの増した村フロロー・・・でも優しい

前回、見たときより厳格さが増した村フロロー。

でも、やっぱり優しいと思う。特にその翌日に川口フロローを観ちゃうとw

陽ざしの中へ、を歌う前。大聖堂でカジモドとフロローが話している最中に、もってきたナプキンでカジモドの顔を優しくゴシゴシふくんですよね。

村フロローの場合、エスメラルダに出会う前は、カジモドと親子のように幸せに暮らしてきたんだな、と感じます。

めちゃ良い~光田フィーバス

一週間前より、自然でよくなった!と思いました。

前回は、セリフのしゃべり方がカクカクと舌足らずに感じたのですが、今回はだいぶ自然に感じました。歌は素晴らしいですし、隊長らしい堂々とした演技で、すごーく魅力的。

このままフィーバス突っ走ってほしいのに、この次の週の出演が無いんですよね。残念。

観劇メモ②2018年5月25日マチネ

MEMO

横浜公演ノートルダムの鐘8回め
金本泰潤カジモドx3回め
川口竜也フロローx1回め

たいじゅんカジモドも可愛い

あ~たいじゅんカジモドの「世界の頂上で」のシーンで「エスメラルダッ」と勢いよく口から出ちゃった、というところが本当にかわいい。

川口フロローが厳格で、可哀そうだったけれどね....

前から3列目(2列め)で観れて大迫力

今回、下手サイドブロックの3列目(実質2列目)での観劇でした。今までで一番前の席です。

サイドは、この実質2列目まで段差がないので、1列前の人と同じ高さになります。

ただ、舞台が近いので邪魔には思わなかったかな。

舞台を見上げる感じだったので、まるで大聖堂の中にいるような、カジモドが住んでいる場所にいるような気持になりました。

先週も下手サイドブロックだったので、世界の頂上でのシーンで、カジモドが見えなくなることがありますが、それでも皆さんの表情がはっきりみえて、やっぱり前方席はいいなぁと思いました。

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